「ガメラ2 レギオン襲来」


さて、前作「ガメラ 大怪獣空中決戦」があれだけの評判を取ってしまった以上、それ以上のものを作り出すには非常なプレッシャーが普通かかるはずだ。しかし、金子/樋口/伊藤のトリオはそれをやり遂げた。はっきり言おう、「ガメラ2 レギオン襲来」は前作以上の傑作だ。
何といっても観客を飽きさせず無理なくクライマックスまで持っていく脚本。怪獣の戦闘シーンが長く続くと普通だれるものだが、小気味酔い場面展開で観客を引っ張っていく演出。そして、素晴らしい映像。何を取っても、邦画の最高レベルに達しているとおもう。
レギオンの出現と都市を襲う理由、それを阻止するというガメラの存在理由が明確で立場がわかりやすい。ガメラに対する感情移入がしやすいのだ。途中何度も傷つき、一度は完全に沈黙するガメラだが、それを復活させるのが浅黄と普通の子供達の念というところが感動もの。やはりガメラは子供の味方だった。あのガメラの復活シーンはほんとよかった。
一方レギオンの無機質で昆虫的なところもガメラとの対比が良くでていた。ギャオスみたいに動物的だと可愛げもでてあまり憎しみがわかないのだが、レギオンは昆虫的で感情も無く容赦無くガメラを切り刻む。これは憎たらしいよ、何とかしてガメラに勝って欲しくなる。ただ、ガメラのこれまでの力では歯が立たないのだな。
そしてクライマックスのあのガメラの秘密兵器。地球(ガイア)のエネルギーを自分の体にため込んで放出するあの業には驚いた。でもすごいカタルシスのあるシーン、ヤマトの波動砲以上だね。なんで、新ガメラのおなかの模様が変わったのか、やっとわかった。すごい複線だったわけだ。レギオンがばらばらに吹き飛んで、ほんとほっとしました。
さて、人間ドラマのほうも押さえぎみながら、非常にリアリティのある演出となっている。水野美紀も地味ながらよかったし、藤谷文子もこれでお役目御免。三枝美希にならなくてよかった。それと、前作を見ている人にはうれしい配役も多い、まずギャオス第一発見者の大追(蛍雪次郎)がなぜか刑事をやめて北海道でガードマンをやっていて、皮肉にもレギオン第一発見者になってしまうなんて、なんとも運の悪い男。長谷川初範、渡辺裕之が前作と同じ自衛官役だし、長峰(中山忍)も意外な登場。また、一瞬登場する東京タワーがまだ途中からおれたままで工事中などうまく前作を引き継いでいる。
とにかく、傑作といえる「ガメラ2」。MAXは大おすすめなのだ。ぜひまた初日も見に行きたい。


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