TOKUSATSU TUREZURE-KUSA 00 OCT.

OCT.1.2000
「未来戦隊タイムレンジャー」 “Case File 32 犯罪者を救え”

脚本:山口亮太 監督:松井昇

 爆弾製造犯DDラデスって、なんかボーゾックみたいな名前ですな…。
 さて、今回はギレンの言葉じゃないけど、お涙頂戴って展開で。そりゃロンダーズの囚人の中にも、ちゃんと刑期を務め上げようというのもいるだろーに。しかし、ふと思ったら、あれって圧縮冷凍の状態で20年でしょ。その間って、普通は意識ないわけじゃないの。刑期20年っていっても、冷凍状態なら一瞬で終わると思うんだけどなー。これじゃ、全然刑罰じゃないような…。それともあれかな、圧縮冷凍の間も意識ってあるんだろうか。だとしたら、これはキツイ刑罰かもだ…。


OCT.1.2000
「仮面ライダークウガ」 “EPISODE 34 戦慄”

脚本:荒川稔久 監督:石田秀範

 なんだかちょいとホラータッチ。「リング」を思い起こさせるような。怪しげな青年から死を告げられた高校生が、大量に死んでいく。それに対して打つ手がない。そんな焦りを感じさせるのが、今回の事件である。
 自分が確実に死ぬことがわかっている、それに対する恐怖。獲物が感じる恐怖を存分に楽しむのがグロンギなのね。そのあたりの異常性がまたグロンギらしくてイイカンジなのだが。しかし、この怪人は何種?…あ、ヤマアラアシ種なのね。ちょいとわかりにくいっすね。
 さて、今回も本筋にあまり関わりのないエピソードが挿入されている。保育園の園児の話ね。これを雄介が諭す、いや、元気付けるというか。クウガとグロンギの戦いという部分にはあまり関わらないような気がするけれど、雄介の性格を描くという意味では、意味があるんでしょかね。でも、なんかもういいかなと思ったり。それでなくてもお、桜子さんの長野行きの話なんかも入ってて、結構パンパンでしょ。ややお腹一杯気味かなぁ…。
 でも、ラストのクウガのバイクアクション、いつもながら唸らせていただきました。


OCT.8.2000
「未来戦隊タイムレンジャー」 “Case File 33 リトルレディ”

脚本:小林靖子 監督:小中肇

 いやー、なんつうか泣かせる話ですなー。さすがは小林靖子というか…。父親の借金を返すために、山に埋めた宝物の綺麗な石を掘り出しに行く少女。そでにアヤセが絡むという話。なんか、時代劇にもよくあるパターンの人情話だね、こりゃ。時代劇だと、借金のかたに娘が身売りしたりするんだけどね…。
 ロンダーズのドゴールも悪徳金融業者だなんて、いかにもギャングっぽくてイイカンジ。ロンダーズは基本マフィアなんだから、やはりこういう悪いことしなきゃ。最終目的は世界征服とかじゃなくて、金集めという…。それと最期の巨大化戦闘シーンとのつりあいがなんともって気もするが、そこは戦隊シリーズだからねぇ。“偉大なるマンネリ”(昔、B者の偉い方から聞きました)ということで。


OCT.8.2000
「仮面ライダークウガ」 “EPISODE 35 愛憎”

脚本:荒川稔久 監督:石田秀範

 何の意味も無く若者達を次々に殺していくゴ・ジャラジ・ダ。その殺戮は、相手が苦しめば苦しいほど、ゴ・ジャラジ・ダにとっては楽しいものとなると…。その行為の卑劣さに憤りを感じる雄介は、クウガとして徹底的にジャラジを痛めつける。ジャラジに馬乗りになって顔を殴打しつづけるクウガ。ジャラジの返り血を浴びながらも、パンチを繰り出すことを止めようとはしない。その血まみれのクウガの姿は衝撃的である。
 怒りに我を忘れたがごときクウガの攻撃。タイタンソードがジャラジを突き刺す。何度も、何度も。息の根が止まったジャラジの爆発の炎の中、垣間見えたクウガの姿はこれまでのどのフォームとも違っていた。まるで鬼神のような、恐ろしい姿である。これが何を意味するのか。
 人よりも大きな力を手に入れてしまったら、その力を制御するためのもっと強い心が必要となる。あの雄介でさえ怒りに我を忘れて、力の行使に溺れてしまったのか…。そして、その状態を表すのがあの、新しいクウガのフォームなのか…。
 大きな力には、常に大きな責任がある。雄介の進む道は、決して平坦ではない。


OCT.15.2000
「未来戦隊タイムレンジャー」 “Case File 34 暗・殺・者”

脚本:小林靖子 監督:小中肇

 いいねー、このロンダーズのアベル。ストーカー刑事って。これは怖いわ。ユウリに対するストーカー行為の所為で、インターシティ警察辞めさせられちゃったンだもんね。で、そのユウリに会いたい一心で、犯罪者になったという変り種。
 しかし、ユウリもなんというか、つれない女だよなー。そこまで思われてるのに、冷たい態度。劇中では、家のそばまで行っただけ見たいな感じだったけど、それだけで首にされちゃったなんて。やっぱユウリって男心がわからない鉄の女なのか?
 と、思いきや、なにやら竜也に対しては暖かい気持ちが生まれてきた感じで…。戦隊内での恋愛って久々かな?
 あ、そうそう、弾丸が飛ぶ特撮、なかなかよかったと思います。


OCT.15.2000
「仮面ライダークウガ」 “EPISODE 36 錯綜”

脚本:荒川稔久 監督:渡辺勝也

 いよいよ謎は0号に迫っていく。すべてはあの長野の遺跡、そしてそこから復活した0号から始まったのだ。その0号の謎を中心にドラマがいよいよ集結していきそうな、そんな予感を感じさせるエピソードであった。
 “戦士”の文字の謎。グロンギの大量虐殺。バラのタトゥーの女の行動。そして、ゴウマの変革。0号との関連は?そして、0号の正体は?うーん、面白くなってきましたなー。
 そんな中、ゲゲルを始めるのはゴ・ザザル・バ。サソリ種怪人らしいが、人間体では結構可愛い女の子である。日本語もすっかりギャル系を堪能に話すし。しかし、綺麗な花には棘がある、ゴ・ザザル・バには酸がある。強酸で人を溶かしちゃうなんて、怖いやつである。ああいう死に方はしたくないねぇ…苦しそうだもん。
 たくさんの内容をたっぷりと盛り込みながらも、テンポがよく片時も目を離せないという感じである。濃いエピソードだ。終結に向けて、この勢いで突っ走って欲しいなぁ。


OCT.22.2000
「未来戦隊タイムレンジャー」 “Case File 35 明日が来ない”

脚本:山口亮太 監督:諸田敏

 なんというか、ちょっとSF的な設定の今回。何度も何度も同じ時間をループしてしまう直人のエピソードである。第三総合研究所で研究用に装着されたデバイスの所為で、そういう事態に陥ってしまうわけだが…。ロンダーズに止めを刺されるその瞬間を何度も何度も繰り返し体験してしまうその恐怖。常にクールなはずの直人が、ループの中から抜け出せないままに次第に壊れていく描写が、なかなか面白いのだ。事実、同じ体験を何度も何度も繰り返したら、それは悪夢である。しかも、それはいつも自分の死を体験するというものなのである。
 とまぁ、ハードなトーンの話と思いきや、視聴者参加の回であり小さなお友達もたくさん出てきて和みますなぁ。特にラスト、手術する少年を励ますためにやってきたタイムファイヤーの優しさでほっとさせられる。いや、その後で子供達にまとわりつかれて大弱りの直人がさらに良かったかな。


OCT.22 .2000
「仮面ライダークウガ」 “EPISODE 37 接近”

脚本:荒川稔久 監督:渡辺勝也

 いやー、これはますます大変な展開。きっと小さなお友達はついていけないんじゃないかなー。大きなお友達的にはオッケーなんですがね。つうか、もう子供向けに作ってないよ、完全に。ストーリーはいくつもの伏線が複雑に絡み合う。長野で古代文字を研究する桜子。戦士の文字に各された更なる謎を解くために。そして、榎田とジャンの関係。バラのタトゥーの女を捜し求めて暗躍するゴオマ。ゴオマを追う一条と雄介。
 そして、いくつかの線は廃工場で結びつく。ゴオマ、バラのタトゥーの女、一条、雄介。ゴオマはバラのタトゥーの女を襲う。それまで、彼女にさんざんの扱いを受けてきたゴオマ。だが、“力”を得たゴオマは女に襲いかかるのだ。だが、さらにその前に現れる、新顔のグロンギ怪人。
 グロンギからも、そして人間からも忌まれる存在となってしまったゴオマは、まさに昔話の蝙蝠そのものである…。いわば、ジョーカー役といったところだろうか。
 そして、廃工場で対峙するのは一条とバラのタトゥーの女。切れた電線から滝のように流れる火花。その火花をはさんで見詰め合う一条とバラのタトゥーの女。再び合間見えたふたりの胸中に去来するものはなにか。クウガでなければ、恋愛ドラマの図だな、こりゃ…。


OCT.22.2000
「機甲機ミカヅキ」 序夜

脚本:井上敏樹 監督:雨宮慶太

 ウルトラでない、ライダーでも戦隊でもない、テレビ特撮シリーズである。しかも、90分で月イチオンエア。今までにない、特撮ドラマが始まった。
 雨宮監督が、3年前のファンタで「タオの月」を上映した際に言っていたのが「次はミカヅキ」。その名前は浮かんだり沈んだりを繰り返しながら、やっと…。「タオの月」にはワタシは物足りなさを感じていたわけで、その欲求不満がついに「ミカヅキ」で解消されたのだ。そう、この「ミカヅキ」はあの欲求不満を完全に解消するクオリティを持った作品であった。
 古代の謎の遺跡、東京上空に浮かぶ巨大なスイカ。そして、その種から生まれた不気味なクリエーチャー。迎え撃つ特殊スーツを着用した特殊チーム、スイカが変形して現れた巨大怪獣。それを迎え撃つレトロロボット。さらに…海から現れる巨大ロボ。いわゆる特撮作品のオイシイところばかりを全部突っ込んでみましたって感もあるが、これが90分もあるわけで、それぞれにきちんと見せ場があってよろしい。特に巨大ロボを操縦する少年というシチュエーションは我々世代にはもう刷り込まれている概念であり、なんの不自然さもなく作品に入り込むことができる。
 特撮のレベルも非常に高い。CGと実写のなじみも良いし、至るとこに見られる雨宮テイストの気持ちよさは、あえて語るまでも無いだろう。ミニチュアセットに多少物足りなさも感じはしたが、まずまずの及第点といえるのではないかな。
 月光のデザインも狙っていていいのだ。もちろん、そのブリキのおもちゃまんまじゃんという声もあるだろうが、巨大なスイカに対抗するには、あのくらいじゃなければ勝てないよ、きっと。そして、ミカヅキである。石ノ森ロボと横山ロボのイメージをうまく組み合わせ昇華したようなそのデザインはなかなかのもの。立体物の出来も良い。動くシーンはCGが多いようだが、それも不自然さはあまり感じない。
 ストーリー的にも謎は多いながらも、決して説明不足という気はしない。主役の少年がああいう性格なのも、今風かなぁ。優等生ではないし、元気がいい訳でもない。エヴァのシンジの小学生時代と言ったら言い過ぎだろうか。
 MAX的には、月光に乗り込む女子高生社長あかね役の奈良沙緒里に大注目である。この娘は「燃えろ!ロボコン」のモkモコお姉さん役で、既に特撮ファンにはお馴染みであるが、このあかねもいいねぇ。当時から、ワタシは目をつけていたのだよ。
 とにかく、90分見所たっぷり、もうお腹一杯になれる特撮ドラマである。早く次は観たいし、ソフトも発売して欲しいねぇ…。


OCT.29.2000
「未来戦隊タイムレンジャー」 “Case File 36 素顔のままで”

脚本:小林靖子 監督:諸田敏

 ホナミ・モンド愛のシリーズ(笑)最新作である。ホナミの勘違いで始まったこの不思議な三角関係。ホナミが好きなのはタイムイエローなのか?アヤセなのか?つうことで、悩むドモンくん、アヤセにホナミちゃんをよろしくと頼んだりするのである。まー、そのあたりのホントのドモンの気持ちをわかってて、アヤセもふたりの中を進展させようとわざとホナミちゃんに接近したりね。
 ま、結局ホナミちゃんはタイムイエロー=ドモンと認識し、その上でふたりはいい感じになりましたとさ。メデタシメデタシ。なのか?ドモンはバック・トゥ・ザ・フューチャーしないの?過去に干渉してるぞ。
 一方で竜也とユウリもなんとなくいい雰囲気で。ラブラブタイムレンジャーやね。


OCT.29.2000
「仮面ライダークウガ」 “EPISODE 38 変転”

脚本:荒川稔久 監督:渡辺勝也

 怒涛のストーリーは3週目に突入。いやー、すごい展開だなぁ…ホントに。
 廃工場で対峙する一条とバラのタトゥーの女。ライフルを構える一条を尻目に、去ろうとする女。その背中に発砲する一条。あの美しい姿、普通の人間なら後ろから撃つことはためらわれるだろう。躊躇なく背中に向けて発砲する一条は、やはり信念の人である。だからこそ、バラのタトゥーの女も言ったのだろう。リントも変わったと。
 結局、一条は重症を負わされてしまう。だが、殺されなかったのはなぜか。バラのタトゥーの女なら、なんの造作もなく一条を殺すことができるはずだ。それを生かしたままというのは何故なのか。なにか、感ずるところがあるのか。それとも、クウガはバルバと同じになるということを多くの者に伝えたかったのだろうか。
 一条の安否を気遣いながらも、ゴ・ザザル・バのゲームの法則を捜す刑事たちと一条。完全に共闘関係が出来上がっているだけでなく、雄介のポジティブなスタンスが刑事たちをも癒していく。その過程を見せることによって、こちらもほっとできるわけで。そんな雄介にまた冒険をさせてやりたいと病床で語る一条もまた、その優しさがいい。
 一方でさらに変態が進み暴走するゴオマである。無差別に、ゲームのルールもなく大量殺人を始める彼は、一体何をしようとしているのか?次回、彼はどうなってしまうのか?
 ところで、クウガ出てないなぁ…。大丈夫か?これで。いや、ワタシは面白いんだけど。


Back to Index
Back to Home
Copyright MAX Oshiba All rights reserved.
This page is Japanese only.