今回はタイムファイヤー直人メインである。タイムファイヤーという絶大な力を手に入れた直人。その力を使って、登りつめんとする上昇志向の強い青年である。しかし、それゆえに周囲との軋轢も多くなる。思わぬところに敵を作りかねないということか。
元の上司に裏切られ、絶対的なピンチに陥る直人。心から欲していた力に、結果的に裏切られることになった時、彼を救ったのはタイムレンジャーの5人だった。力だけではダメだ。たとえ力が強くとも、ひとりきりじゃ戦えない…って、これはチガウね、シリーズが。
なかなかTRの5人に対して心を開こうとしない直人なんだけど、それはまぁ徐々に変わっていくという展開なのでしょうな…。
ははっ。なんともいつもとは違うノリの不思議なエピソードである。ひょんなことから映画撮影所でエキストラをやることになった5人組。ところがそれはロンダーズの罠…?おりしも、シオンはハバード星人の睡眠期に入りかけで全くの不抜けた状態だ。そんな彼らに遅いかかる、不思議なロンダーズの攻撃。どうする、TR。
ってなわけで、撮影所で様々なシチュエーションで戦う彼ら。いろんなコスプレ見られて、役者萌えにはたまらんかったんじゃないかね。「E.T.」のパロディなんかもあったけど…あれは子供にはわからんだろうなぁ…。今の若もんも「E.T.」見てない子多いだろうしさ。父兄向けネタね。
結局、眠りに入るシオンの夢落ちでした。ま、こういうのはアリっすね、たまには。TRでこういうテイストやるには、やっぱ夢落ちってことでしょ。楽しめました。
ついに、ズ・ゴオマ・グにもその最期の時が…。
究極体にまで変異したゴオマは、殺戮を各地で繰り広げながらダグバの注意を引こうとする。かつてゲゲルに負けた彼は、それ以来ずっとグロンギの中では虐げられた存在であった。徹底的に蔑まれ、貶められてきた彼が欲したのは、グロンギの頂点に立つ存在であるダグバの力であろう。その思いは彼のすべての行動の根本となり、強化体、究極体とまで進化をとげたのであったが…。
おとぎ話に出てくる蝙蝠は、動物からも鳥からも結局つまはじきに遭ってしまう、ある種忌むべき存在。その結果、トワイライトの刻にしか活動できなくなったいう。ゴオマもその話に違わず、グロンギからもリントからも忌まわれる存在であった。そんな彼が目指したのが、グロンギとして、グロンギ族内での頂点。これは彼らが嫌うリント的な考え方だと思うが。しかし、グロンギから虐げられ、リントからは追われる存在。どちらにも属すことができない。哀しい存在であった。
一条も、そしてザザルを倒して駆けつけたクウガもゴオマ究極体の前に倒れる。が、そこにダグバの存在の気配…。一体ダグバはどのような…。しかし、一条と雄介の目の前には、もはやこときれたゴオマ人間体の死体。恐ろしきはダグバの力である。
ズ・ゴオマ・グ。得意な存在として、クウガの世界の奥行きを広げてくれた…。合掌。
先週からの流れのシオンの目覚めで始まりながら、その後はうって変わってのシリアスムード。アヤセの抱える病魔が、ついにタイムレンジャー達に暗い影を落とすのか。
今回は、ロンダーズの、というか、ドルネロの考え方がはっきりした回でもあるね。ギエンはとにかく破壊・殺戮を目指すわけだが、ドルネロはそうではない。さすがに未来のマフィアも「金」が目的。金を絞りとるための人間を滅亡させちゃ、商売上がったりである。その考え方は敵ながら明確でいいよね。普通、戦隊の敵っていうと、人類の滅亡だったりするんだけど、結構フレンドリーな奴じゃんって思ったり。だから、利害が一致し、金儲けにもなると判断すればタイムレンジャーも取引もするわけだ。
で、今回はアヤセ抜きで闘うタイムレンジャー。ま、相手が病人だから倒せたということなのだろうか…。雨の中のロボット戦というのは非常に珍しい。普通特撮巨大物では雨はやらんのよね、巨大感が出なくなっちゃうから。まぁ、よく頑張ってます、東映特撮。
で、ひとりドルネロの血液を運ぶアヤセだが、ついに力尽きて倒れてしまう…。どうなる、アヤセ、そしてタイムレンジャー。以下次週ね。
いよいよ、4クール目に突入。
闇をもたらすもの、それはダグバであり、クウガもやがて等しい存在になると。バラのタトゥーの女の言葉や、再度桜子によって調査された碑文が、すべてクウガの暗き到達点を示唆している。その事実をあらためて話し合う一条達。心が憎しみだけになってしまったとき、クウガは闇をもたらすものになる。しかし、五代はその事実を知っても決してひるむことはない。むしろ、そのことを知ることで、自分の戦いを抑制していくのだと語る。五代の笑顔。それは、やはり回りの人たちをほっとさせるものだ。
無線で、警察スタッフたちに屈託のない呼びかけを行なう五代。その言葉を聞いた人々は、思わず破願してしまう。どんない苦しいときであっても、五代の言葉は人を明るくさせるのだ。クウガの力を受け継ぐ者として、これほどの適任者はいるだろうか。まさに、なるべくしてなったのだろう、彼は。それだけに、闇をもたらすものの力が、彼を打ち負かさんことを願うのだが。
グロンギ側も動いている。バラのタトゥーの女も、クールが変わって衣装が変わった。なんだか今度は随分とシックなお召し物である。ジャーギもかなり知的なイメージであるし、グロンギも随分と人間に近づいたということか。そもそもグロンギとリントとの関係ってどんなものだったのか?リントの中から暗き力を得たものがグロンギになったのだろうか…。
ジャーギを追って豊洲に駆けつけるクウガ。ジャーギを捜し求める彼と、そしてもまたも登場の謎の人物…。この白い服の謎の人物は一体?敵なのか?それとも味方?さらに、謎は深まるんだよなー…。最終章に突入で、ますますヒートアップしてるね。
ひと月待ったねぇ…。その間に序夜を見返したりしてて。で、期待のミカヅキ、二夜である。
イドムの謎はまだまだわからない部分もあるのだけれど、なんとなくそのあたりも解説してあったりして、徐々にって感じですかね。でもって、今回はドアイドム。スイカに続いてドアとは、これまた意表をついてていいねぇ。人の情念が言霊となって産まれるイドム。その成り立ちとイドムが産まれるまでを今回は見せてくれた。でも、なんだかよくわからんけど…(;^^)。でも、ああやって映像で見せられちゃうと、なんとなく納得できてしまうから不思議なもの。まさに雨宮マジックかな。
さて、ミカヅキの面白いところは、やはり60分という長さの中で描かれる人々。30分物ではここまで掘り下げられることはなかろう。これまで雨宮監督の作品には人間の描き方に物足りなさを感じていたのだが、このミカヅキはいいのよ。脚本に井上敏樹氏を配して、さすがはジェットマンコンビと言うべきか。特に風雄とナナちゃんとの交流とかね。あのあたりは、丁寧に描かれていて好感が持てる。風雄という、いじめられている少年の成長物語という側面もこの作品は持っているわけで、そういう点でも非常に評価できると思う。
さて、特撮的にもまたまた見所満点である。今回は沙織のタクティカルスーツがひとつの見せ場だろうか。トルパの使者月影との等身大バトルが見もの。沙織もタクティカルスーツあったのね。で、そういうところではなすすべもない風雄が、却ってリアルな描写という気もする。まぁ、風雄のピンチに際しては、自動的にミカヅキが発動しちゃうわけだけど。
ミニチュアセットではドアイドムと新型の月光、そしてミカヅキの三つ巴のバトルである。さらにAITの戦闘機、コンバットジャイロまでも飛び出して、いやー、本当に濃いわ。一粒で何度おいしいの、この番組。等身大スーツバトルあり、メカ描写あり、怪獣あり、そしてロボットバトルだもんね。そして美少女女子高生社長が操る巨大ロボットなんていう萌えな設定もあれば、やっぱ巨大ロボは少年が操るべきというトラディショナルな設定もちゃんとあって、いやー、たまらん。完全にターゲットを大人に設定しているからこそ、こういう大胆なことできちゃうのかしら。いや、満足満足。
しかし、奈良沙緒里ちゃんはいい!!
降りしきる雨の中、路上に倒れるアヤセ。ついに、その時が来たのか。彼が不治の病に侵されている事が、ついに竜也以外のTRメンバーにも知れ渡ってしまうわけだな。動揺する彼ら。そして、アヤセを前線に出すまいとする。そして、病を承知で、自分の未来を信じてともに闘おうとするアヤセ。うーん、何と言うか、若いっていいなぁ。なんちゅうか、青臭いんだけど、それをも跳ね返すパワーがあるわな、若さには。ドモンのセリフには、ちょっとグッと来ちゃいました。ポジティブでいいんじゃないのかね、やっぱ。
で、それを見てる直人がね、なんか寂しげでまたいいじゃないの。ホントは寂しいのに、そういう輪の中には入っていけない。そういうジレンマみたいなものがねー。それが直人らしいとこで。
さて、ロンダーズのほうも、ついにギエンがなんかとんでもないことになっちゃって。ある意味、ドルネロとリラのやってることは可愛いもんで。大量殺戮じゃなくて、いかに金儲けするかだからね。マフィアだから。だからこそ、ギエンの行く末、気になる…。
いやー、いきなり肩を銛でぐっさり。痛そうだなぁ、これ。特に自分で銛を抜くとこなんざ。さすがのクウガもグローイングフォームになってしまうわけで。しかし、ジャーザはなんでクウガにとどめをささなかったのかなぁ。クウガとの戦いよりも、ゲゲルのほうが大事だということか。
なんせジャーザはゲゲルをなるべく簡単にして、ザギバスゲゲルに進みたいという、そういうグロンギだから。なんか、やっとわかったんだけど、ゲゲルを終えないとザギバスゲゲルには行けないのね。で、そのザギバスゲゲルというのは、どうやらダグバと闘うことらしい。つまり、ザギバスゲゲルの勝者がグロンギの最高権力者になれるということなのか。ゴオマは自分がゲゲルを勝ち抜けなかったにもかかわらず、ダグバと戦おうとした。その結果は前々回のとおりである。
さて、そのダグバである。どうやら、クウガがジャーザに襲われたその場所にいた白い服の男がそうらしい。ついに、ダグバその人が人間体として姿をあらわしたようである。まぁ、最終クールだからね、そろそろ出していてくれないと困っちゃうし。白い服の男はザジオのところにもやってきて、そしてザジオをも殺したようだ。さらになにかアイテムを持っていったようで。よくわからんが、ゲゲルの際に身に付けているベルトのバックルのようだったが…?
で、一方で例によって闘う道徳日記のほうも健在。今回は奈々ちゃんである。「人を殺したいと思ったことはないか」とおやっさんに言って、ポレポレを飛び出していった奈々。その奈々を心配して、ちゃんと雄介はやってくる。暴力を行使することは簡単だ。でも、その暴力には暴力でしかコミュニケーションが取れなくなる。人間なんだから、それは哀しい。殺伐とした「殺す」なんて言葉を使ったりせずに、また暴力で物事を解決などしようとしたりせずに、話し合いをしたらどうなのか?そんな雄介の言葉に奈々は心を動かされたようだ。うん、なかなか良いハナシじゃ。