TOKUSATSU TUREZURE-KUSA 01 SEP.

SEP.22.2001
「ウルトラマンコスモス」 “生命の輝き”

脚本:武上純希 特技監督:北浦嗣巳 監督:北浦嗣巳

 これはまた、なんだか取り様によっては非常に重いテーマだなぁ。500年ごとに孵化し一日にして成長、産卵して死を迎えるという怪獣イフェメラである。その一日を精一杯生きることの大切さを伝えるということ。どんな生物でのその生には期限があるわけで、その与えられた時間を精一杯生きていこうじゃないかということである。まぁ、こうやって文字にしてしまえばそれだけのことなんだろうけどね、実際に自分が後何年生きることができるのかとか、毎日を精一杯に生きているのかって言われると、現実的には即答はできないわな。つうか、そういうことはあまり普段は深刻に考えないからねぇ。
 さて、そのイフェメラのはかなき生を伝えに来るのが、幼くして死んだはずのフブキの妹なのである。その妹の姿はフブキだけじゃなくてムサシの前にも現れるわけなんだけど。このフブキの妹が出てくる理由がワタシにはよくわからなかったりする。幼くして死んだが、精一杯生きたであろう妹とはかない命のイフェメラを重ねているということはわかるのだが、どうもその描き方が取ってつけたような印象であった。ただ、これを出さないと、ヒウラの命令を無視して防衛軍のミサイルを迎撃してしまうフブキの理由付けがなくなってしまうからなー…。少なくともムサシにも見えたということで幻覚ではないんだよね。とすると、この少女は一体何なのか。イフェメラとの因果関係をもちっと言ってくれたほうがすっきりするのに。幼くして死んだフブキの妹は、イフェメラの精になったんだ…とかね。コスモスなら、こういうのアリだからいいんじゃないの。きっとそういうことだったんだろうと、MAX的には解釈しておこうかな。
 今回、最初にイフェメラが暴れた時、ムサシはコスモスに変身できなかった。コスモスの意思とムサシの意思はやはり別々のところにあるのだよね。


SEP.15.2001
「ウルトラマンコスモス」 “動け!怪獣”

脚本:西園悟 特技監督:北浦嗣巳 監督:北浦嗣巳

 まさにスケルトンな化石怪獣、ムードン。その様はキングザウルス三世でなくまさにシーボーズである。カオスヘッダーの残留エネルギーによって化石が実体化したという一応の意味付けもあるけれど、ただそこにいるだけで迷惑だと言う存在は、全くシーボーズと同じである。コスモスというシリーズは、初代ウルトラマンの本歌取りが多い。これは意図的に行なっているのだろうね、当然。初代ウルトラマンに出てきた素材をコスモス風にアレンジして見せてくれているというわけだ。もちろん、元を知らなくても十分に楽しめるし、元を知ってればさらに楽しめる、まさに親子ニ世代のためのシリーズといっていいだろう。
 今回はうがかない怪獣ムードンを動かすための珍作戦総ざらえというコミカルなトーンで始まってこのまま突っ走るのかと思いきや、身勝手な人間のせいで安住の地を破壊されて暴れだすムードン、そしてその怪獣化と巣から離れなかった理由が明らかになって最後にはほろりとさせられるという、非常によい構成だったと思う。EYESの最後の作戦が、実はベニヤ板で作ったベビームードンというところもアナログな感覚でよいねぇ。怪獣を退治するのではなく共存しようというEYESならではで。コスモスがそのベニヤ板を実体化させるのは、普通だったらやりすぎって気もするけど、コスモスの世界観の中だと自然に受け入れられるね。と、ムードンが涙を流すところとかね。これがティガとかガイアだったらとんでもないってことになっちゃうんだろうケドね。
 そういうある意味ベタな脚本、ベタな演出でも白けさせない雰囲気というかトーンを、このコスモスという番組は持ってると思うんだけど。始まってから慣れるまではちょっとギクシャクした感じもあったけれど、しっくりと馴染んできたかな、ここのところ。やはり、このつくり手側の優しさみたいなものが、ウルトラシリーズの基本なんだよね、きっと。


SEP.9.2001
「仮面ライダーアギト」 “第32話”

脚本:井上敏樹 監督:長石多可男

 真魚ちゃんの目の前に姿を現した沢木哲也。彼は真魚を涼の死体のところに連れて行く。そして、真魚の力を持って、涼を甦らせようとするのだ。が、その場では涼は甦らない…。やっぱ、涼はこのまま死んじゃうのか?
 で、翔一と合流する真魚だが、まだ自分の居場所を見つけることができないという。結局マンションの部屋に戻る真魚。その口から相良が死んだことを知らされた関谷は。部屋から逃げ出すのね。
 真魚ちゃんは悩む、自分の居場所を探して。だから、美杉や翔一、氷川までがやってくる。が、一度はそれを拒む。が、翌日再び現れた時、ふっきれた真魚は彼らと会う。観覧車の中で話し合う、翔一と真魚。ふたりがこうやって話していると、やはりお似合いのカップルだと思うんだけどねぇ…。翔一は記憶を無くしている。その居場所はない。美杉家はあくまでも、カリの居場所なのだろう。それをわかっているからこそ、翔一には自分の信条を吐露できるのだろう。ともに、居場所を探すふたりなのである…。そうそう、女の子はガラス細工のようなもの…と小沢に言われた氷川、それを受け売りしてて変だよ、おい。そのガラス細工の値段を聞く美杉も充分に変なんだけどさ。
 マンションに挨拶に戻った真魚。その目の前で関谷がおかしくなる。何者かに操られているようで、しかも言葉をしゃべってるぞ。。「人でない者は、滅べばいい…」一体誰がこんな言葉を言わせているのか。アンノウンなのか?アンノウンを束ねるものが、やはりいるのだろうか…?
 そして、真魚たちに襲いかかるケトス・オルキヌス。そして、その場には関谷も。関谷がケトス・オルキヌスに命令しているとも見えるが…。やはり、誰かが関谷とアンノウンを操っているのか…?アンノウンは今まで単独で行動していたのかと思われたが、そのバックになにかあるとすると…ううむ…またも謎ね。
 アギトはあっさりとケトス・オルキヌスにヤラレちゃうんだよね。さっそうと真魚たちを助けたはずだったのに、こりゃちとカッコ悪い。だが、そこに現れたのは…涼である。
 真魚の力では目覚めなかったかに思われた涼だが、その真魚の力はじわじわと涼を覚醒させていたようだ。それを知っていて、沢木は涼を自分の部屋に置いておいた。涼が目覚めることが、大きな悲しみを生む事に繋がると、そこまで予測もしている。沢木の目的は一体どこに…?
 さて、真魚たちの目に現れた涼は、そのままギルスに変身。いやー、久々のギルスである。いよいよ戦闘、というところで以下次週なり…。


SEP.9.2001
「百獣戦隊ガオレンジャー」 “鹿が癒す”

脚本:赤星政尚 監督:渡辺勝也

 ピンチの時には、新パワーアニマルが登場するということになってるんだよね、ガオレンの場合。倒せば倒すほど強くなる1000年の邪気。この1000年の邪気を打ち破ることがなかなかできないガオレンジャー。そんな時、テトムの歌に誘われるように姿を現したのは、ガオディアスである。今度は鹿ネ。
 このガオディアス、シルバーとは1000年来の知り合いらしいのだが…そこには因縁が。テトムの祖母の紫の歌声が好きだったガオディアス。だが、その歌声をオルゲットの攻撃から守れなかったシルバーを、ガオディアスは許そうとしなかった。そこに現れるテトム。そしてその歌声。なかなか気難しいガオディアスも、このテトムの歌声で折れたのね。なかなか簡単には仲間になってくれないパワーアニマルは初めてか。
 で、当然ながら合体である、ガオキングクロスホーンの誕生。と言っても、左手がガオディアスなだけなんだが…。こりゃまた、買わなきゃって感じでしょ、玩具を。さすが、バンダイさんだわ。


SEP.8.2001
「ウルトラマンコスモス」 “青銅の魔神”

脚本:大西信介 特技監督:佐川和夫 監督:根本実樹

 青銅の魔神かぁ…乱歩は“青銅の魔人”だったっけね。  人のストレスを吸い取ってくれる、一種のリラクゼーションツールであるはずの青銅像。古代の人々に、宇宙からの来訪者が与えたものだというのだが、これが大変な事件を起こしてしまうことに。
 そもそも、EYESのドイガキは不用意に箱とか開けすぎ。得体の知れぬものはまず、十分に調査した上で開封せにゃいけないでしょうにねぇ…。ま、おおらかでよいかもしれんけど(笑)。
 しかし、そのストレスを吸い取ってくれる便利なツールのはずの青銅像、現代日本人のストレス量には対応し切れなかったのねぇ。容量オーバーになった石像はついにオーバーフロウ、巨大化して待ち行き人々にストレス光線を浴びせ始めてしまうのだな、これが。
 さて、その青銅像を発掘した美人考古学者が、実はドイガキの学生時代の同級生でね、そちら方面には晩生なドイガキが憬れてたりするわけさ。ま、メインの話とはあんまり関係ないんだけど。でも、こういうとこで隊員のキャラを描いていくのは、やはり必要なこと。
まー、ドイガキの場合は典型的な“キレンジャー系”なので、掘り下げなくても分りやすいキャラではあるんだけどね。
 青銅の魔神ことゲシュート。像の顔が変わり、そして、ムサシの目前で巨大化する描写などは、なかなか良くできている。もちろん、造形的にも、こういう怪獣は好きだ。できれば、もう少し硬質な雰囲気が出せる着ぐるみが作れるといいんだよね。やはり、柔らかい感じになっちゃうので。それこそ大魔神みたいなね。
 コスモスはゲシューとの吐き出すストレスの塊を全てその体で受け止める。やがて、ゲシュートの溜め込んだストレスが全て吐き出された時、コスモスはそのストレスの塊をまとめてゲシュートに向けて撃ち出す。かくて、ゲシュートはバラバラに…なったはずなんだけどね。なぜか元の像に戻ってたねぇ、エンディングでは。
 そうそう、胸がドキドキするのはストレスじゃないのだよ、ドイガキくん。


SEP.2.2001
「仮面ライダーアギト」 “第31話”

脚本:井上敏樹 監督:長石多可男

 真魚ちゃん、カワイソウだねぇ…。自分の「力」が覚醒して暴走し始めているかもしれない。それどころか、自分が父親を知らず知らずのうちに超能力で殺害してしまったのかもしれない。なんて思いつめて、氷川のところに“自首”しに来ちゃうのだからねぇ。
 そんな思いを翔一に話し出す真魚ちゃん。こうやって、二人で話しているといいムードっぽいんだけどね。でも、翔一の方があれだからねぇ。真魚ちゃんよりも亜紀さんのほうがいいってんだから…。そんな翔一めがけて鎖の切れたブランコが飛んでくる。これも真魚の力か?
 そんな真魚ちゃん、翔一の前から逃げ出すんだが、そこを車で通りかかった相良に拉致されてしまう。こりゃ計画的犯行だな。そう、相良はあかつき号のメンバーの仲間として、真魚を受け入れようとしているのだ。彼女もやがて“アギト”になるということなのだろうか…。
 いなくなった真魚を探す、翔一と氷川。そして、相良の車からマンションの部屋を訪ねる。すると、すんなりと真魚は開放される。
 だが、真魚はもう、相良らに対して共感を持っていた。自分達の「力」のこと、そして、そのいるべき場所のこと。だから、美杉家には戻れない。自分の居場所はそこではないのかもしれないと。それを見込んで相良は真魚を開放したのだった。
 またまたそれを物陰から見てる相良。そして、そこに現れるクルスタータ・パレオ。前回と同じようなパターンですな、これって。相良、一撃をくらって倒れる。その相良をかばい逃げる真魚。残った翔一はアギトに変身する。前回、G3−Xとのコンビネーションでも倒せなかった強敵とどう戦うのか。と思ったら、久々にマシントルネイダースライダーモードが登場である。スライダーモードからストームハルバードで見事、アンノウンを倒すのであった。
 相良を連れて、真魚は相良がかつて妻と共に住んでいた家に逃げてきていた。そこで、相良は真魚に、一連の事件は相良が離れた場所から超能力を使ってやったことだと告白する。何故そんなことしたのかねぇ。って、真魚をメンバーの仲間に引き入れるため、自分の居場所について疑問を抱かせるためか。しかし、息を引き取る間際に、自分の居場所を見つけて欲しいという言葉を残す。涙を流す真魚。すると、その「力」が発動し、枯れていた植物が見る見る生き返っていく。これが真魚の「力」なのだろうか…。ものを癒す力?すると、これこそ沢木が欲している、涼を蘇生させるための力ということになるのか。
 そんな真魚の背後に、ゆっくりと近づく沢木…。危うし、真魚ちゃん!


SEP.2.2001
「百獣戦隊ガオレンジャー」 “奥義、伝承!!”

脚本:武上純希 監督:竹本昇

 なんとなく、久々にレギュラーフォーマットに戻ったような気がする。今回はブルーがメインの話。ボーリングオルグに対抗するためのトルネードスピン投法を身につけんとするスポ根篇である。ま、ボーリングにはボーリングでっていう発想がいかにもって感じのパターンではあるが、やはり、こういうオーソドックな話は落ち着くねぇ。
 それと、ここのところ、パワーアニマルの組み替えパターンが出てくるねぇ。これはやはりバンダイさんの販促策ということなんでしょうな。新しく出たパワーアニマル買えば、こんな形態も作れますっていう。うーん、確かに欲しくなるもんね、パワーアニマルシリーズ…。  ビリヤードのキューでボーリング玉を突こうとするシルバーが可笑しかったりする。


1.SEP.2001
「ウルトラマンコスモス」 “森の友だち”

脚本:武上純希 特技監督:原田昌樹 監督:原田昌樹

 怪獣でなくて妖怪である。妖怪ヤマワラワっていうのは、いかにもありそうな話でいいねぇ。ティガのには宿那鬼やオビコ法師なんておいう妖怪が出たんだけど、このコスモスも妖怪路線はアリみたいね。
 心優しき妖怪ヤマワラワ。その姿は子供にしか見えないという。大人になってしまうと見えなくなるもの。そんなものが多すぎるような気がするねぇ、特に昨今は。子供の頃に見えたり感じたり出来ていたものを随分と失ってしまったような気がする。そんなことを、このヤマワラワを見て、ついつい考えてしまったよ。
 同じように、子供の頃の思い出を封印してしまった男がいる。石橋保演じる岩田である。石橋保は、ティガのゲストのときも良かったよね。今回も大人になってしまった元少年をうまく演じているのだ。
 彼が子供の頃に出会ったヤマワラワ。しかし、それを自分の息子が出会ったことは否定してしまう。こういう気持ちは分らなくも無いね。様々なしがらみが多くなればなるほど、子供の頃の純粋さは失われていくのかも知れない。
 怒りのため巨大化するヤマワラワ。しかし、コスモスがその怒りを一身に受ける。だが、ヤマワラワの怒りを静めるのは、子供の頃をともに過ごした岩田の呼びかけだったのである。
 なんとなくほの哀しさを余韻として残す好篇である。自分も頑張らなきゃイカンという気持ちにさせてくれたなぁ。ヤマワラワの造形も非常に良く、表情豊か。こういう生き物がホントにいるかもしれないと思わせるものであった。


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